株98%集中の罠。森永康平「6:2:2」で俺のポートを検算した結果

株がほぼ全てを占める円グラフと、6:2:2に分かれた円グラフを並べたイラスト 投資マインド
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経済アナリストの森永康平氏が、YouTubeで「オルカンだけで本当に大丈夫か」と問いかけていた。

答えは「否定はしない。ただ知らないリスクを認識しておけ」。そのうえで氏が薦めるのが、株6:債券2:金2という配分だ。

正直、こういう動画を見ると一瞬は身構える。俺はオルカンもS&P500もiDeCoも積んでるし、金もBTCもやってる。「もう分散できてるだろ」――そう思っていた。オルカンに加えて何か一つでも買ってる君も、たぶん同じように思ってるんじゃないか。

だから検算した。生活防衛資金と現金を除いた、投資資産だけの比率を。ポートフォリオの見直しは、思いつきでやるものじゃない。数字を出してからだ。

結論を先に言う。2026年6月末時点で、株が98.1%、金が1.4%、BTCが0.5%、債券が0%だった。森永氏が言う「知らないうちにエクイティ100%に近づいている」を、俺はほぼそのまま体現していた。

それでも、俺は今すぐ債券を買うつもりはない。理由は3つある。


なぜ俺は今、森永康平の「6:2:2」に合わせて債券を増やさないのか

理由1:守りはすでに現金が担っている

慌てて資産配分を組み替えて債券を買う前に、確認したいことがある。「守りが足りない」と「守りの手段が債券である」は、別の話だ。

俺の場合、生活防衛資金は現金で確保済みで、キャッシュ比率は「30%現金ルール」を軸に管理している。暴落が来ても、生活が詰まないラインはすでに現金で押さえてある。

債券の役割は「価格変動の緩衝材」だが、俺にとってその役割は今、現金が果たしている。守りの手段を増やしたいなら、まず自分がすでに何で守っているかを数えるのが先だ。

理由2:過去に個人向け国債を売って、答えは出ている

数字で言うと、これはもう一度確かめる必要すらなかった。

俺は以前、個人向け国債変動10年を買って1年保有し、利子は500円弱だった。同じ期間、NISAの評価益は+21%だった(詳細は資産形成期に債券ファンドはいらないに書いた)。

金利のある世界に戻ったとはいえ、動画内で森永氏も触れていた通り、日本国債10年はすでに2.5%前後まで上昇している。それでも、資産形成のフェーズでこの差を埋めてまで債券を組み入れる理由が、今の俺にはない。

森永氏自身も動画内で「資産形成中の20〜30代はオルカン1本でも十分、労働収入がリスクバッファになる」と語っている。俺が債券を増やすべきタイミングは、今ではなく、資産が一定額を超えてからだ。目安として、俺はNISAの組み替えトリガーを資産1,500万円前後に置いている。

理由3:株98%集中には、教科書通りの理屈がある

ここからが今日の本題だ。森永氏はもう一つ、あまり知られていない理屈を挙げていた。グロスマン=スティグリッツのパラドックスという考え方だ。

ざっくり言うとこうだ。市場価格が正しく形成されるのは、コストと手間をかけて企業を分析する人が一定数いるから。もし誰も分析しなくなったら、その「値付けの土台」ごと崩れてしまう。インデックス投資が支配的になるほど、個別株を精査する人が減り、値付けの機能が弱くなっていく――という理論だ。

ただし正直に書いておく。この理論は「インデックス比率が何%を超えたら危険」という閾値まで証明したものではない。あくまで、価格形成には対価を得る分析者が必要だという理論的な指摘であり、「インデックスが増えたから即バブル」と断定するのは言い過ぎだ。

俺が気にしているのは、この理屈よりむしろ数字の方だ。株98.1%・金1.4%・BTC0.5%――「色々やってるから分散できてる」という思い込みは、比率で見ると簡単に崩れる。セクター集中(AI・半導体への偏り)については半導体バブルに乗らない3つの理由で書いた通り対処済みだが、今日問うているのはその一段上、アセットクラスそのものへの集中だ。

金については、俺は結果として”分散できたつもり”の1.4%しか持っていなかったが、需給面での上昇圧力は無視できない。中央銀行が金の年間需要のうち約4分の1を継続的に買い越している構造は、2026年に入っても続いている(出典:World Gold Council「Gold Demand Trends Q1 2026」)。ディフェンシブな資産のはずが、需給だけ見ればまだ強気の理屈が立つ、という珍しいアセットクラスだ。


こういう人は森永康平の「6:2:2」にすぐ合わせてもいい

俺は今のままでいいと判断したが、これが全員に当てはまるとは思っていない。

40代・50代に入っていて、資産がある程度まとまっている人。暴落を経験したことがなく、株98%集中の状態で最初の下落を迎えるのが不安な人。こういう人は、金や債券を今から少しずつ混ぜ始める森永氏の年代別方針に、素直に合わせていい。

順序リスク――リタイア間際に暴落が来ると取り返しがつかない――は、20代・30代にはピンとこない話だが、50代・60代には切実な話になる。


株98%集中と聞くと、暴落に耐えられるのかと不安になる読者もいるはずだ。正直に言うと、俺自身もこの数字を出すまでその不安を持っていなかった。ただ、日経平均2563円暴落の日、俺は何もしなかったで書いた通り、耐性を支えているのは資産配分の内訳ではなく、生活防衛資金と時間軸だ。株の比率が高くても、生活が詰まらなければ、暴落は「見る」だけで済む。


今日やること

  • 自分の資産配分(生活防衛資金・現金を除いた投資資産)を、株・債券・金・その他に仕分けて比率を出してみる
  • 「〇〇もやってるから分散できてる」という思い込みを、実際の比率で検算する
  • 生活防衛資金と現金比率が、自分にとっての「守り」を担えているか確認する
  • NISAの組み替えトリガー(資産額の目安)を、自分なりに一つ決めておく
  • 慌てて債券や金を買い増す前に、まず今の配分を数字で把握する

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まとめ

森永康平氏の「6:2:2」に自分のポートを当てはめたら、株98.1%・金1.4%・BTC0.5%・債券0%だった。「分散できてるつもり」は、思い込みだった。これは事実。

でも、事実がそのまま「今すぐ債券を買え」にはならない。守りはすでに現金で担っている。数字はすでに出ている。あとは、思い込みを事実に置き換えたうえで、淡々と続けるだけだ。

――同じ航路を選んだあんたへ。日々の運用ログはXで発信してる。 → ヨースケのXアカウント @Yosukehochiinve


※本記事は俺個人の見解・体験を綴ったものであり、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。


森永康平氏出演「オルカンだけで本当に大丈夫?」の動画

出典:ブルモ証券公式YouTubeチャンネル「中村人の投資アカデミー」(取得日:2026-07-05)

出典:World Gold Council「Gold Demand Trends Q1 2026 – Central Banks」(取得日:2026-07-05)

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