日経平均6万8千円。それでも俺が半導体バブルに乗らない3つの理由

過熱する半導体ロケットを横目に船で淡々と進む放置系投資家のイラスト 投資マインド
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2026年6月3日、日経平均は取引時間中に初めて6万8000円台をつけた(一時68,452円)。年明けからの上げ幅はざっと36%。キオクシアが急伸して、一時トヨタを抜いて東証プライムの時価総額2位に立った。相場の主役は完全に「AI・半導体」だ。(参考:ロイター「日経平均、初の6万8000円台 AI・半導体株主導」

ところが、その2日後。6月5日の米国市場で、ナスダックが一日で4%超下げた。AI株がそろって崩れて、年初来で最悪の下落だ。CNNの「恐怖と強欲指数」は、1ヶ月前のGreed(強欲)67から、Fear(恐怖)42へ一気に振れた。

Xを開けば「半導体で1ヶ月1000万増えた」が流れてきた数日後に、この急落だ。「乗り遅れたかも」と焦ってる人は、たぶん少なくない。

(ここに書く相場の動きは、あくまで執筆時点=2026年6月のものとして読んでほしい。)

でも結論を先に言う。俺は半導体バブルに張らない。理由は3つある。……いや、正確には違うな。俺はもう乗ってる。一点張りしてないだけだ。 最後まで読めば意味がわかる。


理由1:半導体相場は「主役を当て続けるゲーム」。俺には再現性がない

今の相場は「半導体にあらずんば株にあらず」状態だ。じゃあ聞くけど、君は来年の主役も当てられるか?

相場の主役は毎年入れ替わる。米国のセクター別リターンを並べるとよくわかる。エネルギーは2022年に+65.7%でトップだった。翌2023年は+4.7%で最下位グループに沈んだ。情報技術も、ある年にトップを取った翌年にマイナス二桁を食らってる。(参考:Novel Investor「Annual S&P 500 Sector Returns」

去年の主役は今年の脇役。これがセクター投資の現実だ。

しかもこれ、プロでも当てられない。S&Pダウ・ジョーンズの「SPIVA」っていう調査がある。プロが運用するアクティブ投信のうち、20年間でS&P500に勝てたのはわずか約8%。裏を返せば92%が負けてる。(参考:S&P Dow Jones Indices「SPIVA U.S. Scorecard」)

毎日相場を見てるプロが92%負けるゲームに、会社員の俺が片手間で勝てると思う方がどうかしてる。当てに行かない。それが俺の出発点だ。(最高値でも動かない話は日経平均、最高値更新。積立投資家がやることは何もないにまとめてある)


理由2:興奮する投資は、もう投資じゃない

さっきの恐怖強欲指数を、もう一度見てくれ。1ヶ月前はGreed 67。1週間前もGreed 59。それが6月5日にはFear 42。たった数日で、強欲から恐怖へ針が振り切れた。(参考:CNN「Fear & Greed Index」)

この針こそ、君の感情そのものだ。半導体が上がってるときはアドレナリンが出て「もっと買え」、崩れた瞬間に血の気が引いて「今すぐ売れ」。針に振り回されて売買すると、強欲で高値づかみして、恐怖で底値投げする。投資で一番やっちゃいけない順番だ。

「1ヶ月で1000万」がSNSに溢れた数日後に、年初来最悪の下落が来る。これがテーマ株の値動きの正体だ。アドレナリンで脳が焼かれてる状態でやってるのは、投資じゃなくてギャンブルだ。お金が増えても減っても、その心拍数では幸せになれない。

俺の人生のデフォルトは「観察者」だ。内側の感情は委ねて、外側の行動だけ淡々とやる。針が右に振れても左に振れても、俺の積立額は1円も動かない。相場が動くことと、俺が動くべきかどうかは、まったく別の話だ。

針は眺める。財布は動かさない。これが放置系の作法だ。


理由3:そもそも俺は、もうオルカン経由で半導体を持っている

ここが一番言いたいことだ。俺が半導体に「乗らない」のは、避けてるからじゃない。すでに適正な比率で持ってるからだ。

俺は毎月、全世界株のインデックス——通称オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)を積み立ててる。このファンドの中身を見てみろ。2026年4月末時点の構成上位は、こうなってる。(出典:三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」月次レポート 基準日2026/4/30)

  • 1位 NVIDIA(エヌビディア) 約5.1%
  • 6位 Broadcom(ブロードコム) 約1.8%
  • 8位 TSMC(台湾セミコンダクター) 約1.7%

半導体3社だけで約8.6%。今みんなが追いかけてるNVIDIAは、すでに俺のポートフォリオの組入1位だ。なんなら世界中の半導体・ハイテクをまるごと、約2,480銘柄に分散したかたちで持ってる。

しかもオルカンは時価総額加重。勝った企業の比率が自動で上がり、負けた企業は自動で軽くなって、いずれ外れる。 俺が銘柄を選んでるんじゃない。「今この企業が重要だ」っていう市場の判断を、そのまま比率に反映してくれる装置なんだ。銘柄の入れ替えを、市場に外注してる。

正直に言う。俺は「半導体バブルだ」って騒ぎを見ても、あんまりピンと来てなかった。だってもうオルカンに入ってるんだから、今さら乗る・乗らないの話ですらないんだ。2025年に積立を始めて以来、最高値だろうが6月5日の急落だろうが、俺は設定画面を一度も開いてない。焦りも興奮もない。これは無関心なんじゃなくて、仕組みに任せてるからだ。ちなみに2026年7月7日時点の評価損益は+24.2%。数字を出したいわけじゃなく、放置してるだけでこの結果が出るってことを見せたいだけだ。この感覚は投資2年目の俺が気づいた、始める前に誰も教えてくれなかったことにも書いた。

だから過熱しても、6月5日みたいに崩れても、俺は動かなくていい。乗り遅れも何もない。最初から、世界が勝者を選ぶたびに、勝手に乗せ替えられてる。


こういう人は、半導体に張ってもいい

念のため言っておく。俺の流儀が全員の正解だとは思ってない。

  • テーマ株を「娯楽」と割り切れる人:生活に響かない余剰資金で、当たれば嬉しい・外れても笑える金額なら、止めない。それは趣味だ。
  • 損切りルールを機械的に守れる人:「ここまで下げたら問答無用で切る」を実行できる人。感情に負けない自信があるなら、短期勝負も成り立つ。

逆に、生活防衛資金や積立の原資を取り崩して張るなら、やめとけ。それはもう投資でも趣味でもない。盛り上がった船に最後に飛び乗る役だ。

俺は前者になれる自信がないから、最初から土俵に上がらない。それだけの話だ。


今日やること

  • 自分の積立ファンドの構成上位銘柄を一度見てみる(「乗ってない」つもりが、もう乗ってるかもしれない)
  • SNSの「◯◯で爆益」を見て心拍数が上がったら、その日は注文画面を開かない
  • 余剰資金でテーマ株を張るなら、金額の上限と損切りラインを先に紙に書く
  • インデックスを積んでるなら、相場が何円になろうと積立設定はいじらない(具体的な積み方は月4万円から始める、普通の会社員の20年放置戦略に書いた)

まとめ

日経6万8千円も、その2日後のAI株急落も、どっちも事実だ。熱狂も恐怖も、外から眺めるぶんには面白い。でも俺の財布は、そのどっちにも反応しない。

主役は毎年入れ替わる。プロでも20年で92%が負ける。なら俺は、当てに行かない。世界中の勝者を時価総額のぶんだけ自動で抱える船に乗って、寝てる。

半導体に乗るか降りるかで悩んでる時点で、もう負けてる。俺はとっくに乗ってる。比率を市場に任せて、手を離してるだけだ。

熱狂は眺めるもの。航路は、変えない。


※本記事は俺個人の見解・体験を綴ったものであり、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

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