積立額が決められなかった俺が、個人年金を解約して「種銭」にした話

保険証券が種に変わり、NISAの2つの器に植えられていくイラスト 投資マインド
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「積立はいくらから始めればいいですか」への定番回答は「余裕資金の範囲で」だ。俺はこの言葉にずっと引っかかっていた。余裕資金なんて、どこにあるんだと。

給料日に口座を見ても、家賃と食費と光熱費を払ったらほぼ残らない。積立に回せる額を捻出しようとするたび、同じところで手が止まった。

結論を先に言う。俺は「余裕資金」を給料から捻出できなかった。だから寝てた個人年金を解約して、そこを種銭にした。


なぜ俺は”月々の余裕”より先に”寝てるお金”を探したのか

積立の金額が決められない人の多くは、給料の中から余裕を探そうとして詰む。俺もそうだった。だから途中で探す場所を変えた。理由は3つある。

理由1:「余裕資金で」と言われても、その余裕がない

日本証券業協会の2024年度調査によると、NISA口座を開設するつもりがない、またはNISAに興味がない人(n=2,787)のうち、24.0%が「NISAで投資する資金がない」と回答している。(出典:日本証券業協会「2024年度 証券投資に関する全国調査」、2024年10月16日公表)

俺もこの24.0%の側にいた。手取りから固定費を引くと、積立に回せる枠が本当に見当たらなかった。「余裕資金で」という助言は正しい。ただ、余裕を作れない人間には効かない助言でもある。

理由2:月3万円の保険料が、じわじわ重くなっていた

当時払っていたのは、終身保険1.9万円と個人年金1万円。合計で月約3万円だ。若い頃は気にならなかったこの金額が、家計を見直すたびに引っかかるようになった。

きっかけは両学長(リベラルアーツ大学)の動画で、この手の貯蓄型保険が「毒キノコ」と呼ばれているのを知ったことだ。受け売りで解約したわけじゃない。手数料の構造や、固定金利で何十年も資金が縛られる仕組みを自分で調べたうえで、解約を決めた。

手続き中、現担当への着信は拒否していた。それでも前の前の担当者から「本当に解約するんですか」という電話が何度もかかってきた。正直、面倒だった。

「保険は解約すると損」――この言い訳は、当時の俺も一瞬よぎった。だが損得は「解約した瞬間の金額」だけで測るものじゃない。保険会社に固定金利で寝かせておくのと、NISAに置いて自分で運用するのとでは、その後何十年の増え方が違う。もちろん投資だから元本割れの可能性はある。そのリスクを取ったうえで、俺は後者を選んだ。

理由3:浮いた3万円と解約返戻金を、両方NISAに突っ込んだ

個人年金の解約返戻金は、数十万円台後半だったとだけ言っておく。桁は合っているが、ここで正確な額は出さない。

この返戻金は現金のまま手元に置き、NISAの成長投資枠とつみたて投資枠の両方に分けて投入していく計画を立てた。つみたて投資枠でオルカン、成長投資枠でS&P500、どちらもインデックスファンドを非課税で毎月積み立て、その買付資金は手元の返戻金を取り崩して充てている。保険をやめて浮いた月3万円も、この原資に合流させた。

器が決まれば、中身は自動で埋まっていく。種銭を掘り当てたことで、積立額を「決める」段階そのものが要らなくなった。


こういう人は素直に月々の余裕資金で始めればいい

寝ている資産が本当にない人もいる。独身で家計に余白があるなら、無理に何かを解約する必要はない。月々の余裕資金から素直に始めるのが正解だ。

解約後、保障が消える不安はあった。掛け捨てなしの終身の安心感は、正直なくなる。それでも俺は、資産を増やす手段としては保険よりNISAを選んだ。保障が要るなら、死亡保障は掛け捨ての定期保険、医療保障は掛け捨ての医療保険と、必要な保障だけを別に検討すればいい。保障と資産形成を同じ商品でまとめて片付けようとしたのが、そもそもの間違いだった。


今日やること

  • 自分の”寝てる資産”を1つ洗い出す(保険とは限らない。使っていない定期預金や口座も対象だ。ただし生活防衛資金と、数年以内に使う予定のお金は種銭にしない)
  • NISA口座をまだ開いていないなら、今日開く
  • 洗い出した資産を動かすと積立に何年分回せるか、ざっくり試算してみる

君の家計にも、給料以外の”種銭”が眠っているかもしれない。


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NISA・iDeCo・現金をどう振り分けるかは、新NISA・iDeCo・現金の使い分け方にまとめている。器の分け方が決まっていないと、種銭を見つけても置き場所に迷う。

終身保険1.9万円を解約した経緯そのものは、「250億円詐欺と同じ罠に、俺の貯蓄型保険もハマってた」に書いた。今回の個人年金は、その保険とセットで見直した片割れだ。


まとめ

積立額は、給料から絞り出すものだとは限らない。俺の場合は、寝ていた個人年金がその答えだった。

種銭は降ってこない。掘り出すものだ。


※本記事は俺個人の見解・体験を綴ったものであり、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

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