2026年7月、Webull証券が7月27日(月)17:30約定分から、米国株・ETF約7000銘柄の現物・信用取引手数料を完全無料化すると発表した。国内証券初。従来の手数料0.22%がゼロになる。
出典:PR TIMES「ウィブル証券、米国株式・ETF取引手数料を完全無料化」
正直、このニュースを見た瞬間「俺も無料化の恩恵を受けてるはず」と思った。SBI証券でVOOやVTを買うときは、確かに手数料がかからないからだ。同じように「うちの証券会社ももう無料でしょ」と思い込んでいるキミは、たぶん少なくない。
結論を先に言う。俺はWebullに乗り換えない。そしてVYMの手数料も、止めるつもりはない。理由は3つある。
なぜ俺は米国株手数料”無料化”のニュースに浮かれないのか
理由1:俺のVYM、実は無料化リストに入ってなかった
即理解できる体感の話から始める。SBI証券は「SBI ETFセレクション」という制度で、VOO・VT・VTI・QQQ・SPYD・VGT・EPI・AGG・GLDM・IYRの10銘柄に限り買付手数料を無料にしている。楽天証券も同様の枠組みで15銘柄を無料化している。だが俺が特定口座で積み立てているVYM(バンガード・米国高配当株式ETF)は、このリストに入っていない。
Webullの無料化ニュースを読んで「じゃあうちも無料だよな」と自分の口座を確認したら、VYMは対象外だった。買うたびに約定代金の0.495%(税込)、上限22米ドルの手数料を、俺は普通に払っている。
無料化のニュースは”全部無料になった”ように読める見出しだが、実際には主要銘柄だけが対象の限定メニューだ。この勘違いに気づかず「もう手数料は気にしなくていい」と思い込んでいたら、それこそが一番危ない。
出典:SBI証券「SBI ETFセレクション」
出典:楽天証券「米国株式手数料」
理由2:対価のある手数料と、対価のない手数料は別物だ
数字で比較する。VYMの経費率は0.06%。これは運用会社が銘柄選定・配当再投資・指数連動の管理をやってくれる対価であり、俺は納得して払っている。一方、売買手数料の0.495%は、口座から口座へお金を動かすだけの手数料だ。運用してくれるわけでも、リスクを取ってくれるわけでもない。同じ「手数料」でも、中身はまったく別物だ。
日本株はすでにSBI「ゼロ革命」(2023年8月31日発表、9月30日発注分から実施)、楽天「ゼロコース」(同日発表、10月1日開始)で、この対価なき手数料をゼロにしている。米国株だけが取り残されていたのは、売買手数料に加えて為替手数料(片道25銭前後)、SEC Feeが乗る三層構造のせいだ。むしろ東海東京証券は2025年10月に外国株手数料を値上げしている。理由は人件費・システム費用の増加。米国株の手数料は、まだ下がる方向で足並みが揃っているわけではない。
出典:SBIホールディングス「ゼロ革命」お知らせ
出典:楽天証券「ゼロコース」お知らせ
理由3:手数料は”%表示”だと痛みが伝わらない
これが一番厄介な話だ。日本株の手数料は「0円」という金額でストレートに見える。だが米国株の手数料は「0.495%」という料率、為替手数料は「25銭」という単位で表示される。実額としての痛みが伝わりにくい設計になっている。
「払うべきお金と払う必要のないお金、この区別がつかない人はいつまで経ってもお金持ちになれない」。試算してみる。月5000円の余計な手数料を43年間払い続けた場合と、同額をオルカン等に年利7%で積み立てた場合の差は、約1500万円になる(前提:月5000円・43年間・年利7%の複利計算)。手数料は”率”だから小さく見えるだけで、時間を掛ければ1500万円分の差になる。
こういう人はWebullに乗り換えてもいい
信用取引や高頻度の売買をする人には、Webullの無料化は素直にメリットが大きい。俺のように月1〜2回、決まった銘柄を積み立てるだけの放置投資家とは話が違う。取引頻度が高いほど、手数料無料化の恩恵は複利的に効いてくる。乗り換えるなら、そういう人からでいい。
正直、「無料化したなら乗り換えれば得するはず」という発想は自然だ。だが証券会社を変えるコストは手数料だけじゃない。使い慣れたUI、入出金の導線、積立設定の組み直し。この移行コストを考えると、月1〜2回の積立勢がWebullに動くメリットは、正直そこまで大きくない。
今日やること
- 自分が使っている証券会社の「米国ETF買付手数料無料」の対象銘柄リストを確認する
- 保有銘柄がそのリストに入っているか、実際に照合する
- 対象外だった手数料が「対価のある手数料」か「対価のない手数料」か仕分けてみる
- Webullへの乗り換えは、取引頻度で損得を判断する(積立勢は急がなくていい)
確認してみると、意外と5分で終わる作業だ。「知らずに払ってた」という事実に気づくことさえできれば、それだけで十分な収穫だ。
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まとめ
Webullの無料化は事実だ。だが全員が今すぐ乗り換えるべき話じゃない。俺の場合、乗り換えるより先に、自分の口座で払ってる手数料を仕分ける方が先だった。
対価のある手数料は払う。対価のない手数料は削る。この区別さえつけば、証券会社選びに振り回されずに済む。
わずかな水漏れが大きな船を沈めることがある。
※本記事は俺個人の見解・体験を綴ったものであり、特定の金融商品の購入や証券会社の利用を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。


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