個人向け国債と新窓販国債の違い|金利上昇でも俺が今は買わない理由

三つの器へ石を配り、金利よりお金の役割を優先する投資家のイラスト 投資マインド
この記事は約5分で読めます。

金利が上がると、「現金を寝かせるくらいなら国債へ」と心が動く。2026年8月募集の個人向け国債・変動10年(第197回債)は年1.87%。新窓販国債10年(令和8年8月債)は表面利率2.7%、応募者利回り2.788%だ。

でも結論を先に言う。俺は今、どちらも買わない。 個人向け国債と新窓販国債は名前こそ似ているが、元本の扱いも途中換金も別物だ。そして商品が悪いのではなく、資産形成中の俺が今求める仕事と合っていない。


まず、2つの違いを10年物に絞って整理する。

比較項目個人向け国債・変動10年新窓販国債・10年
金利変動、半年ごとに見直し固定
2026年8月年1.87%表面利率2.7%、応募者利回り2.788%
購入価格額面100円につき100円額面100円につき99円32銭
中途換金発行1年後から国が買い取り市場でいつでも売却可能
元本中途換金でも額面を維持。ただし直前2回分の利子相当額を差し引く市場価格で売るため、売却損益が出る
購入単位1万円単位5万円単位

個人向け国債と新窓販国債の違いを見ても、俺が今は買わない理由

利率が高い商品へ移れば正解、という考え方を俺は取らない。先に決めるのは利率ではなく、その金に何をさせるかだ。

俺は現金比率30%前後を維持している。30%は万人の正解ではない。株式市場が下がったときにも、生活費のために慌てて売らずに済む余裕として、俺が決めた配分だ。ここに求めるのは1円でも多い利息ではない。今日動かせることだ。

一方、国債に任せるのは「待機」ではなく「守り」だ。すでに作った資産を減らしにくくし、使う時期まで置いておく。俺はまだ資産を作る側にいる。だから金利が上がったというニュースだけでは、役割を入れ替えない。

10万円を買い、2025年9月に売った俺の口座

俺は2024年夏、変動10年を10万円分買い、1年ちょっとで税引き後500円弱の利子を受け取った。2025年9月に全額を売ったが、当時の判断を否定するつもりはない。資金配分と金の役割を見直した結果だ。

学んだのは、投資判断は正解探しではなく、その時点の目的との一致を見ること。いつでも動かしたい現金に、1年間の換金制限がある商品を混ぜない。

利率より先に、使う時期を決める。

表面利率だけでは安全性を判断できない

個人向け国債は「元本を守る代わりに制限を受ける」

変動10年は半年ごとに適用利率が見直される。発行から1年たてば、直前2回分の利子相当額を差し引いて国に買い取ってもらえる。額面での元本割れを避けたい人には分かりやすい。

ただし最初の1年は原則として換金できない。生活防衛資金や近いうちに使う金を、そのまま置き換える商品ではない。

新窓販国債は「2.7%の定期預金」ではない

表面利率2.7%は、額面に対して毎年受け取る利子の率だ。今回は額面100円を99円32銭で買うため、満期まで保有した場合の応募者利回りが2.788%になる。

だが金利がさらに上がれば、低い利率で発行済みの債券は市場で売れにくくなり、価格は下がる。満期まで持てば額面100円で償還されても、途中で現金が必要になれば元本割れがあり得る。高い方を選べばいい、では済まない。

理由1:新窓販国債は金利上昇時の価格下落を引き受ける

日本銀行は2026年7月31日の金融政策決定会合で、無担保コールレートを1.0%程度で推移させる方針を維持した(日本銀行「当面の金融政策運営について」)。ただし、俺はここから金利の先行きを当てにいかない。

分かっているのは、固定金利の新窓販国債を途中売却すると、その時点の市場価格で損益が決まることだ。金利上昇が続けば含み損になる可能性がある。

「満期まで持てばいい」という反論はその通りだ。だからこそ、10年間使わないと決めた金で買う必要がある。俺の現金30%には、その約束ができない。

理由2:個人向け国債でも、俺の現金30%は置き換えない

では、元本割れリスクのない個人向け国債なら買えばいいのか。俺は今のところ買わない。

10万円を初回の年1.87%で6か月持った場合、税引前の利子は935円だ。次の6か月はその時点の適用利率へ見直されるため、1年間の利子はまだ確定していない。それでも以前より魅力は増した。だが俺が現金30%に求めるのは、失業や病気への備えと、予定外の支出にその日対応できる流動性だ。

現金の金利が低いことは欠点ではない。必要な瞬間に売却手続きも価格確認もなく使える。その機能に対して、俺は機会費用を払っている。

国債が合う人と、俺が買い直す3条件

個人向け国債は、1年以上使わない資金を元本重視で置きたい人に合う。新窓販国債は、満期まで保有でき、途中の価格変動を受け入れたうえで固定利息を得たい人の選択肢になる。どちらも悪い商品ではない。

俺も次の3条件がそろえば、まず個人向け国債から買い直しを検討する。

条件1:買った後も現金30%を維持できる

国債を買うために、相場下落時の余裕まで削らない。購入後も現金30%を維持できるだけの余剰資金ができたときに検討する。

条件2:生活防衛資金とは別に、1年以上使わない金がある

生活防衛資金や特別費を普通預金に残したうえで、最低1年間は使わない余剰資金があること。使う時期が見えない金は普通預金に置く。

条件3:その金の役割が「増やす」ではなく「守る」である

高い成長を狙う金ではなく、値動きを抑えて元本を守りたい金であること。この3条件がそろった場合でも、固定利率の高さだけでは選ばない。まずは金利上昇に追随する個人向け国債・変動10年から再検討する。

迷った君が今日確認する3項目

証券会社の購入画面を開く前に、次の3つだけ確認してほしい。

  1. その金の仕事は何か――増やす、守る、いつでも使える状態で待つ、のどれか。
  2. いつ使う金か――1年以内なら個人向け国債にも入れない。新窓販国債は満期前売却の可能性まで考える。
  3. どの不自由を受け入れるか――個人向け国債の1年制限か、新窓販国債の価格変動か。それとも普通預金の低金利か。

俺が10万円を買って売った経緯は、資産形成中に債券はいらない。俺が個人向け国債10万円を売った理由に残している。NISA・iDeCo・現金30%の役割分担は、新NISA・iDeCo・現金の使い分け方|俺の3つの器の中身を全部出すで確認できる。

まとめ

個人向け国債と新窓販国債の違いは、利率の差だけではない。個人向け国債は元本を守る代わりに最初の1年は動かせない。新窓販国債はいつでも売れる代わりに、市場価格で元本割れする可能性がある。

2026年8月の1.87%と2.788%は、確かに目を引く。でも、金利が上がったことと、俺が資産配分を変えるべきかは別の話だ。

金利を当てて買うんじゃない。1年以上使わない「守る金」ができたとき、初めて国債を検討する。

利率で商品を選ばない。金の仕事を決めてから、器を選ぶ。これが放置系の答えだ。


※本記事は俺個人の見解・体験を綴ったものであり、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

コメント

タイトルとURLをコピーしました