「iDeCoは掛金が全額所得控除になる。節税効果は新NISAより強い。だからiDeCoを先にやるべき」
FPのコラムや金融機関の特集を見ると、こういう文脈でiDeCo推しが書かれていることが多い。
正直、俺も最初は迷った。制度として強いのはiDeCoだという情報は、調べるほど出てくる。
結論を先に言う。俺はNISAを先にやった。今も正解だったと思っている。理由は3つある。
理由①:iDeCoは「60歳まで引き出せない」が思ったより重い
iDeCoの最大の弱点は、原則60歳まで解約できないことだ。(参考:厚生労働省「iDeCoの概要」 ※受給開始は原則60歳以降)
これを知識として知っている人は多い。ただ、実際に積み始めてから「重さ」を感じることがある。
転職・結婚・子供の誕生・突発的な出費──人生の変わり目で「あのお金が動かせたら」と思う瞬間が来る。iDeCoに入った分は、そのとき完全に死んでいる。
NISAにはその制約がない。積み立てたオルカンは、売ろうと思えば翌日には売れる。実際には売らないし売る気もないが、「いざとなれば動かせる」という感覚は、長期投資を続けるうえでの精神安定剤になる。
制度の優劣だけで語るなら、税制面ではiDeCoが強い。
でも「30年間ロックする覚悟があるか」という問いに、俺はNISAを先に埋めることで答えた。
理由②:NISAを先に埋めても、iDeCoの旨みは消えない
「NISAを先にやるとiDeCoの節税効果を損失する」という誤解がある。
そうじゃない。どちらも非課税枠として機能するし、両方使えばいい。俺は今、両方使っている。
現在の俺の設定:
- NISAつみたて枠:月3万円(eMAXIS Slim 全世界株式)
- NISA成長枠:S&P500をスポット購入
- iDeCo:月1万円(全世界株式)
NISAを積み始めたのは2025年1月。2026年5月時点でNISA口座の評価益は+21%。
iDeCoは掛金拠出開始から評価益+23.5%(こちらも全世界株式)。
数字だけ見れば、どちらも似たパフォーマンスだ。ただ俺の場合、NISAを先に設定して「積立の感覚」を掴んでからiDeCoを足したことで、制度の使い分けが頭に入りやすかった。
いきなり両方設定して混乱するより、NISAで一本化して動かしてから足す、という順序が俺には合っていた。
理由③:NISAには「途中で止めても損しない」設計がある
iDeCoには、拠出を止めた場合の維持コストがかかる。加入者資格を失っても口座管理手数料(月66〜数百円)は発生し続ける。(参考:厚生労働省「iDeCoの概要」 ※手数料の内訳は国民年金基金連合会分105円+事務委託先金融機関分66円が最低ライン。金融機関によって追加コストあり)
一方NISAは、積立を止めてもペナルティがない。相場が悪い時期に一時停止して、翌年再開することもできる。
会社員として固定費をコントロールしながら資産形成をする場合、「制度に縛られない自由度」はNISAの隠れた強みだ。
税制優遇の強さで選ぶならiDeCo。
でも最初の一本に求めるものが「続けやすさ」「柔軟性」なら、NISAを先に動かして損はない。
こういう人はiDeCoを先にやってもいい
- 課税所得が高く、所得控除の効果が大きい人(年収800万円超の会社員など)
- 60歳まで使わないと決めている余剰資金がある人
- NISAをすでに最大限活用していて、次の非課税枠を探している人
iDeCoの節税効果を最大化できる状況なら、先にiDeCoから埋めることは合理的だ。
俺の話はあくまで「最初の選択としてNISAが有利だった」という個人の判断であって、誰にとっても正解という話ではない。
今日やること
- 自分の年収から「iDeCoの節税額がいくらか」を概算する(年収500万円の会社員で月1万円なら年間約2.4万円の節税)
- NISAとiDeCo、両方の口座を持っているか確認する(まだなら開設から始める)
- 毎月の投資可能額を確認し、NISA積立を先に埋めた後にiDeCoへ回す余地を計算する
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まとめ
「まずiDeCo」という常識は、間違っていない。制度の優劣を純粋に比べれば、税制面でiDeCoが強いのは事実だ。
ただ、最初の一手として「60歳まで動かせない口座」に入金することと、「いつでも動かせる口座」を先に育てることは、精神面でまったく違う。
俺はNISAを先に埋め、1年半で+21%の結果を確認してから、iDeCoを月1万円で追加した。この順序に後悔はない。
動かせる金から先に育てる。それが俺の答えだ。
※本記事は俺個人の見解・体験を綴ったものであり、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。


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