新NISA・iDeCo・現金の使い分け方|俺の3つの器の中身を全部出す

NISA・iDeCo・現金の3つの器が並び、それぞれの時間軸を示すアイコンが添えられたイラスト 新NISA
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(最終更新:2026年6月10日。各器の評価額を2026年5月末の実数に更新し、個人向け国債の売却実録を追記した)

「オルカンとS&P500、どっちがいいですか?」──こういう質問をよく見る。

正直、どっちでもいい。それより先に、どの器に入れるかを決める方が100倍大事だ。

ネット記事を漁ると、こんなアドバイスが出てくる。

  • 「iDeCoはまず安定型バランスファンドで」
  • 「新NISA初心者は配当狙いの高配当個別株から」
  • 「現金を遊ばせるくらいなら個人向け国債」

俺は全部逆だ。

iDeCoに預金や債券型を入れる人、新NISAに短期で売る個別株を入れる人、現金枠に国債を入れる人──こういう配置をしている人は、20年後に大きな差が開く。商品で選ぶと事故る。器は「いつ使うお金か」で決まる。

俺は資産形成中に債券・個人向け国債を売って、3つの器に絞った。今日はその設計図を、俺の口座の実額つきで全部出す。


結論:器は「使う時期」で決まる、商品で選ぶな

3つの器の使い分けは、たった1問で決まる。

「そのお金、いつ使うか?」

使う時期中に入れる商品の性格
iDeCo60歳まで触れない流動性ゼロ=最大リスク許容 → 株100%
新NISA20年寝かせる長期リスク許容 → 株式インデックス
現金(預金)いつでも使う可能性流動性が命 → 利回りゼロを許容

中身の議論(オルカンかS&P500か、JTかKDDIか)は、器が決まった後でいい。器を間違えると、中身が何であっても負ける。


iDeCo=60歳まで触れない老後専用ロッカー

俺はiDeCoで全世界株式インデックスに月1万円を積み立てている。これ以外は入れていない。

2026年5月末時点の残高は331,865円。たいした額に見えないかもしれない。でもこれが、60歳まで絶対に触れない金の現在地だ。

理由は1つ。iDeCoは60歳まで絶対に引き出せないからだ。

絶対に使えない金で守りに入る意味が無い。40代の俺が今からiDeCoに債券を入れると、20年近く債券で寝かせることになる。20年の時間軸なら、株式の優位は歴史的にほぼ確定している。

iDeCoのもう1つの強みは所得控除だ。掛金が全額所得から引かれる。年収500万円・課税所得300万円の会社員が月2.3万円拠出すれば、年間約5.5万円の所得税+住民税が戻ってくる。これは確定リターンだ。

俺は今のところ月1万円までしか拠出していない。理由は別にある。現金30%ルールを優先しているからだ。iDeCoは便利だが、60歳までロックされる。今の手元キャッシュを薄くしてまで拠出は増やさない。

参考:iDeCoの概要|厚生労働省


新NISA=20年放置の主戦場

新NISAは年360万円(つみたて120万+成長240万)、非課税保有限度額1,800万円。俺の資産形成の本丸はここだ。

俺の中身はシンプルに2本だけ。

  • つみたて投資枠:eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)月3万円
  • 成長投資枠:S&P500

それだけ。個別株は1株も入れていない。

2026年5月末時点の中身は、つみたて枠のオルカンが464,552円、成長枠のS&P500が1,474,175円。合計で約194万円が、この「20年寝かせる器」に入っている。毎月の増減は積立の全記録シリーズで全部晒しているから、過程ごと見たい人はそっちをどうぞ。

ここで疑問が出る。「ヨースケって日本高配当6銘柄(JT・KDDI・三菱商事・三菱UFJ・ENEOS・第一生命HD)持ってるよね?なんでNISAに入れないの?」

意図的に入れていない。個別株は特定口座だ。理由は別記事で詳しく書くが、ざっくり言うとNISAの「非課税枠」は20年寝かせるインデックスで使い切るのが最も効くと判断したからだ。配当課税の節税より、非課税枠を長期複利の主軸に全振りする方が、20年後の金額が大きくなる。

新NISAでよくある失敗は「短期で使う金」を入れることだ。住宅頭金、子の教育費、車購入──これらは1〜3年で出ていく。途中で売ると非課税枠の復活は翌年。チャンスを1年寝かせることになる。

新NISAは「今すぐ要らない金」の置き場。そこを徹底する。

参考:新しいNISA|金融庁


現金(預金)=キャッシュ30%、利回りゼロを許容する理由

俺は資産の30%を現金で持っている。2026年5月末の実額で1,456,166円、総資産の30.7%。ネット銀行の普通預金だけ。利回りはほぼゼロ。それでいい。

「インフレで現金は目減りする」という指摘は理解している。でも現金の役割は増やすことじゃなく、いつでも使えることだ。

現金30%の役割は3つある。

  1. 生活防衛資金:失業・病気・家族の緊急時。最低6ヶ月分の生活費は触らない
  2. 暴落時の弾薬:株価が30%以上落ちた時に買い向かう原資。これがあるかないかで、20年リターンの差が数百万単位で出る
  3. 精神的余裕:相場が荒れた時に「まだ現金がある」と思えるだけで、狼狽売りを防げる

3番目が特に効く。投資の最大の敵は自分の感情だ。現金が薄い人ほど、含み益を確定したり、損切りしたくなる。

現金は「機会損失」じゃなく「選択肢の保有」だ。利回りゼロのコストで、未来の選択肢を買っている。


個人向け国債(JGB)を売って気づいたこと

ここが今日の本題に近い話だ。

俺は以前、個人向け国債(変動10年)を保有していた。2024年の夏に10万円分を買った。「キャッシュ30%の一部を働かせる」のが目的だった。元本保証、金利は半年ごとに見直し、最低0.05%は保証──確かに合理的に見える。

でも売った。2025年9月のことだ。

1年ちょっと保有して、受け取った利子は500円弱。同じ期間、株のインデックスは20%以上動いていた。金額の問題じゃない。資産形成中に債券で寝かせる合理性が無いと、自分の口座の数字で思い知ったからだ。売却までの判断過程は債券不要論の記事に全部書いた。

債券は「守り」の商品だ。守るためには、守る対象(既にある資産)が必要だ。20代・30代の資産形成期は、まだ守るほどの資産が無い。この時期に債券で安全運転しても、20年後の口座は微増しかしない。

「守り」と「待機」は別物だ。

  • 待機=現金。いつでも動かせる、機会を待つ
  • 守り=債券・金。既にある資産が減らないようにする

俺がやっているのは「待機」であって「守り」じゃない。だから債券は要らない。現金で十分だ。

退職前の資産防衛フェーズに入ったら、また個人向け国債を検討するかもしれない。でもそれは20年後の話だ。今の20〜40代に必要なのは、攻めるか、待機するか、その2択だと俺は思っている。

参考:個人向け国債|財務省


3つの器を間違える人と、俺がどう逃げているか

ここまで読んで「俺、間違ってるかも」と思った人向けに、典型的な失敗パターンを3つ並べる。各失敗に対して、俺がどう逃げているかも並記する。

失敗1:iDeCoに元本保証型・債券型を入れている

60歳まで使えない金で守ってどうする。リスク資産を最も入れるべき器が、最も保守的になっている。

→ 俺の対応:iDeCoは全世界株式インデックス100%、月1万円。20年以上の時間軸を最大限にリスク資産で使う

失敗2:新NISAで短期売買・短期資金を運用している

売れば非課税枠が戻るのは翌年。来年使う金をNISAに入れると、売却→枠失効→翌年復活のタイムラグで機会損失。

→ 俺の対応:新NISAは投資信託2本だけ(つみたて枠オルカン月3万円、成長枠S&P500を順次積立)。個別株は1株も入れず、特定口座に分離。20年寝かせる金専用と割り切っている

失敗3:現金が10%未満

キャッシュが薄いと、暴落時に何も買えない。さらに精神的に追い詰められて狼狽売りする。投資の勝敗は「下げた時に何ができるか」で決まる。

→ 俺の対応:総資産の約30%を現金(ネット銀行普通預金)で固定。配当金・賞与で増えた分はNISAに回しつつ、30%比率は維持する


これからの埋め方

俺の今後の配分プランは単純だ。

  1. iDeCo:現状維持。月1万円。拠出枠を上げる予定は今のところ無し
  2. 新NISA:つみたて枠を月3万円→将来的に上限近くまで。成長枠でS&P500を年間120万円ペースで埋めていく
  3. 現金:常に30%。30%比率を死守
  4. 個別株(特定口座):高配当6銘柄を Phase1→Phase2→Phase3 で段階的に増やす(VYM・コトブキヤは別枠で保有)

現在の金融資産は474万円(2026年5月末時点)。2026年の目標は500万円に上方修正した。淡々と入れていく。


器を間違えなければ、中身は何でも勝てる。

今日からできることは1つ。自分の口座を開いて、「この金、いつ使うか?」を問い直すこと。答えが出れば、器も中身も自動的に決まる。

放置するのは、考えるのを放置することじゃない。最初の設計を丁寧にやって、その後を放置するということだ。

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