【実例】国税庁から「還付金87,400円」のメールが届いた|詐欺を疑ったポイントと対処法

釣り針に吊られた還付金メールの封筒と、タップ前に手を止めるスマホのイラスト 投資マインド
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2026年9月24日、俺のGmailに「【国税庁】お知らせ」という件名のメールが届いた。本文には「還付予定額 87,400円」「受取手続の完了期日 令和8年10月20日」。紺色の帯に「国税庁」「e-Tax」の文字が並び、ぱっと見はe-Taxからの通知だ。

同じようなメールは、70代の父にも届いていた。10月3日には、父のところに文面の違う別のメールも届いた。こちらは後半に追記した。

結論を先に書く。メール内のリンクやアプリのダウンロードボタンは押さない。e-Taxを確認するなら、公式サイトを自分で開いて直接アクセスする。

公式情報に照らすと、このメールは国税庁・e-Taxから送られた正規のメールではない。送信元が booking@info.yanlianauto.com で、e-Tax公式が2026年9月25日時点で案内している info@e-tax.nta.go.jp と一致しないからだ。リンク先やアプリの中身は開いていないので、そこは確かめていない。だからこの記事では「国税庁をかたる不審メール」と呼ぶ。フィッシング詐欺を強く疑っているメールだ。

以下、怪しかった点と本物の通知の届き方、届いたとき・押してしまったときの動き方を順に整理する。


  1. 実際に届いた「国税庁からのお知らせ」
  2. 国税庁を名乗る還付金メールを不審だと判断した4つのポイント
    1. 1. 送信元が国税庁・e-Taxの公式ドメインではない
    2. 2. 9月時点なのに「令和8年12月31日までの所得」を集計済みと書いている
    3. 3. 受取期限を設けて行動を急がせている
    4. 4. メール内からAndroid版e-Taxアプリのダウンロードを促している
  3. 本物のe-Tax通知との違いと確認方法
    1. 届く人と、届くタイミング
    2. 本物のメールには、添付も原則URLもない
    3. 還付金の処理状況を自分で確かめる手順
    4. 9月に本物が届くことはあるのか
  4. 追記:父に「還付金の確認」を装った別の文面が届いた(2026年10月3日)
    1. 9月の1通目と比べて変わったところ
    2. 送信元は、今回も国税庁・e-Taxのドメインではない
    3. 本物の注意喚起に似せた一文がある
    4. 「nta.go.jp」の文字が入っていても正規とは限らない
    5. 確認するなら、入口は自分で開く
    6. 親にも一度見せておく価値がある
  5. 不審なメールが届いたらどうする?
  6. リンクを押してしまった・情報を入力してしまった場合
    1. リンクを開いただけ(何も入力していない)
    2. e-Tax等のID・パスワードを入力した
    3. クレジットカード情報を入力した
    4. 銀行口座の情報を入力した
    5. 不審なアプリをインストールした(Android)
  7. 家族や高齢者にも共有しておきたい
  8. 相談・報告先
  9. よくある質問
    1. Q. iPhoneなら関係ない?
    2. Q. 国税庁からSMSで還付の案内が来ることはある?
    3. Q. 「国税庁 サポートセンター」からのメールは本物?
    4. Q. 「e-Tax メッセージボックス 未読1件」のメールは本物?
    5. Q. 「還付金に関する確認のお知らせが届いています」というメールは本物?
  10. まとめ|「還付金があります」で慌てない
  11. 参考にした一次情報

実際に届いた「国税庁からのお知らせ」

中身はこうだ。

  • 件名は「【国税庁】お知らせ」、表示名は「国税庁 サポートセンター」。実際の送信元は booking@info.yanlianauto.com
  • 冒頭に「e-Taxメッセージボックス 未読1件」「重要 還付金に関するお知らせ(受取口座の確認)」
  • 還付予定額87,400円、受取手続の完了期日は令和8年10月20日
  • 令和8年度分の確定申告の集計結果で、還付予定額が確定したという説明
  • 案内は「e-Taxアプリ内のメッセージボックスでのみ」確認できるとして、「Android版アプリをダウンロード」ボタン
  • 注意事項に、電子証明書による認証が必要という一文
  • フッターに「e-Taxホームページにおける個人情報保護方針」の文面、国税庁の住所・法人番号、Copyright表記

見てほしいのは3か所。送信元アドレス、金額と期日の組み合わせ、ダウンロードボタンだ。

逆に、住所や法人番号は判断材料にならない。どちらも国税庁が公開している情報で、誰でも書き写せる。ロゴも当てにならない。e-Taxは、ロゴなどを表示する手口を確認していると注意している。


国税庁を名乗る還付金メールを不審だと判断した4つのポイント

ここからは、俺が引っかかった点を国税庁・e-Taxの公式情報と突き合わせる(2026年9月25日確認)。

1. 送信元が国税庁・e-Taxの公式ドメインではない

表示名は国税庁でも、実際の送信元アドレスは booking@info.yanlianauto.com だ。

e-Tax公式が案内している送信元は、2026年9月25日時点で e-Tax(国税電子申告・納税システム)<info@e-tax.nta.go.jp> となっている(e-Taxの注意喚起)。国税庁も、e-Taxは「掲載しているパターンのメールのみ送信しています」と書いている(国税庁の注意喚起)。

件名も違う。公式の件名は「税務署からのお知らせ(****様)【…に関するお知らせ】」か「国税庁からのお知らせ(****様)【…】」の形をとる(e-Taxのメール案内)。「【国税庁】お知らせ」は、どちらでもない。

表示名だけでは判断できない。e-Taxも、送信元表記のアドレスや表示名を「e-Tax」に装った不審メールがあると注意している。

送信元アドレスは、e-Tax・国税庁が公式に案内しているものと一致するかを確認する。ただし、表示名や見た目だけで本物とは判断しない。「go.jp」は、政府機関や独立行政法人など公的な組織しか登録できないドメインだが(JPRS)、それだけで安全とは言えない。送信元はふるい分けに使い、最後の確認はメール内のリンクを使わず、自分で開いた公式サイトで行う。

2. 9月時点なのに「令和8年12月31日までの所得」を集計済みと書いている

メールには「令和8年度分(令和8年1月1日~令和8年12月31日)」の確定申告の集計結果で、還付予定額が確定したとあった。受信は令和8年(2026年)の9月24日。その年は、まだ3か月以上残っている。

所得税の確定申告は「毎年1月1日から12月31日までの1年間」の所得を計算する手続きだ。申告期間は原則として翌年2月16日〜3月15日(国税庁 No.2020)。還付申告は「その年の翌年1月1日から5年間提出することができます」とされる(国税庁 No.2030)。

ここからは俺の推論になる。このルールなら、令和8年分の還付申告を出せるのは通常2027年1月1日以降だ。申告もできない年分の還付額が、2026年9月に「確定」するのは時期が合わない。国税庁が「9月には確定しない」と名指しで書いているわけではない。公式のルールを並べると、そう読めるという話だ。

表記も違う。国税庁は所得税を「令和7年分」のように「年分」で書く(国税庁の確定申告特集)。メールは「年度分」だった。ここは補強材料にとどめる。

3. 受取期限を設けて行動を急がせている

金額のすぐ下に、赤字で「受取手続の完了期日 令和8年10月20日」。受信から1か月もない。

e-Taxは、不審メールの特徴に「手続や納付を催促する文面の記載がある」ことを挙げている(e-Taxの注意喚起)。警察庁も、フィッシングメールには「切迫感を煽り、ログインさせようとするもの」が多いと注意している(警察庁「フィッシング対策」)。

還付金は、申告書に記入した口座か、公金受取口座に振り込まれる(国税庁「還付金の受取方法」)。「受取手続の完了期日」に当たる制度や用語は、国税庁・e-Taxの公式ページを確認した範囲では見当たらなかった。

件名の「受取口座の確認」にも注意したい。国税庁は「還付金の振込先等の入力を求める旨のメール」から偽サイトへ誘導する事例を、なりすましの手口として公表している(国税庁の注意喚起)。

4. メール内からAndroid版e-Taxアプリのダウンロードを促している

メールには、還付金の案内は「e-Taxアプリ内のメッセージボックスでのみ」確認できるとあった。その下にダウンロードボタンがある。俺はこのボタンを押していない。

公式情報と一番噛み合わないのが、ここだ。国税庁のAndroid向け「e-Taxアプリ」は、「令和3年1月4日をもちまして…サービスを終了」している(e-Taxのお知らせ)。

スマホでe-Taxを使うときの公式の案内は、ブラウザで「e-Taxソフト(WEB版)」を開く形だ(e-Taxのスマホ利用案内)。

IPAは2022年10月31日、国税庁をかたる偽SMSや偽メールで偽サイトへ誘導し、Android端末に不正アプリを入れさせる事例を報告している(IPAの注意喚起)。4年前の情報だが、流れはよく似ている。

フィッシング対策協議会も2026年9月8日、Android用の不正アプリへ誘導するメールについて緊急情報を出した(フィッシング対策協議会)。こちらの掲載例に、国税庁の名前は出てこない。それでも、メールからアプリを入れさせる型は同じだ。

国税庁の注意喚起ページには、2026年9月25日時点でこの型は載っていない。載っていないことは、安全の根拠にならない。

補足しておく。87,400円という金額は、判断の根拠にしていない。ただ、具体的な額を見せられると確かめたくなる。ボタンに指が伸びるのは、こういう時だ。


本物のe-Tax通知との違いと確認方法

ここからは国税庁・e-Taxの公式情報をまとめる(2026年9月25日確認)。

項目本物のe-Taxの通知今回届いたメール
送信元e-Tax(国税電子申告・納税システム)<info@e-tax.nta.go.jp>国税庁 サポートセンター <booking@info.yanlianauto.com>
件名税務署からのお知らせ(****様)【還付金の処理状況に関するお知らせ】【国税庁】お知らせ
届く人e-Taxにメールアドレスを登録し、還付申告をした人条件は不明(俺と70代の父に届いた)
本文の中身定型文。金額・期日は書かれていない還付予定額87,400円、完了期日 令和8年10月20日
確認方法自分でe-Taxにログインし、マイページの「還付・納税関係」から「e-Taxアプリ内のメッセージボックスでのみ」確認できると案内
アプリ導入定型文に案内なし(Android版e-Taxアプリは2021年1月4日に終了)Android版アプリのダウンロードボタン
リンク・添付添付なし。原則URLなし(登録・変更時の到達確認用URLのみ例外)ダウンロードボタン(リンク)あり

届く人と、届くタイミング

e-Taxにメールアドレスを登録している人には、還付金の処理状況が確認できるようになったときと、更新されたときにメールが届く(e-Tax「還付金処理状況確認について」)。

確認できるようになる目安は、e-Taxで還付申告してから2週間程度、書面なら1か月程度。e-Taxで出した還付申告は3週間程度で処理される。確定申告期は、おおむね1か月〜1か月半かかる(国税庁の還付Q&A)。

本物のメールには、添付も原則URLもない

e-Taxのメールにはファイルの添付がなく、「原則としてメール本文内にURLを記載していません」とされている(e-Taxのメール案内)。

今回のメールにあった電子証明書の注意書きは、本物の定型文と同じ趣旨だった。メッセージボックスの閲覧には、平成31年1月以降、原則としてマイナンバーカード等の電子証明書が要る(e-Tax「メッセージボックスのセキュリティ強化について」)。偽物にも同じ趣旨の文がある以上、この一文は本物の証拠にならない。

還付金の処理状況を自分で確かめる手順

  1. e-Taxの公式サイトを自分で開き、「e-Taxソフト(WEB版)」にログインする
  2. 「マイページ」を開く
  3. 「還付・納税関係」を選ぶ
  4. 「還付金処理状況を確認する」を押す

税務署に問い合わせなくても、ここで処理状況が分かる(国税庁の還付Q&A)。

9月に本物が届くことはあるのか

逆のケースも書いておく。還付申告は5年間さかのぼって出せる。過去の年分の還付申告をした人なら、9月に本物の処理状況メールが届くこともありうる。これは制度から考えた俺の推論だ。

だから、時期だけで決めつけない方がいい。今回おかしいのは、まだ終わっていない令和8年分の還付額を「確定」と書いた点だ。どちらにしても、最後は公式サイトで自分で確かめる。


追記:父に「還付金の確認」を装った別の文面が届いた(2026年10月3日)

2026年10月3日の朝、今度は父に別のメールが届いた。父から転送してもらった実物がこれだ。

国税庁e-Taxを装った2通目の不審メール(宛先・転送情報は切り取り済み)

中身はこうだ。

  • 件名は「【重要】還付金に関する確認のお知らせが届いています」、表示名は「国税庁e-Tax」。実際の送信元は noreply@telugusatta.com
  • 冒頭に「e-Taxメッセージボックスに未読のお知らせがあります(1件)」
  • 所得税の還付金について「ご確認いただきたい事項が生じました」として、e-Taxへのログインを促す
  • 「国税庁・税務署が、メールやSMSで口座番号・暗証番号などの入力やご返信を求めることは、一切ありません」という注意書き
  • 「Android版 e-Tax アプリをダウンロード」ボタン
  • 末尾に nta.go.jp.uwsao という名前の添付ファイルの表示

添付ファイルもボタンも開いていない。リンク先と添付の中身は確かめていない。

9月の1通目と比べて変わったところ

項目1通目(2026年9月24日・俺宛て)2通目(2026年10月3日・父宛て)
表示名国税庁 サポートセンター国税庁e-Tax
実際の送信元booking@info.yanlianauto.comnoreply@telugusatta.com
件名【国税庁】お知らせ【重要】還付金に関する確認のお知らせが届いています
金額・期日還付予定額87,400円、完了期日 令和8年10月20日どちらも書かれていない
入口の文句還付予定額が確定した還付金の振込について確認したいことがある
注意書き電子証明書による認証が必要という一文口座番号・暗証番号をメールやSMSで求めることはない、という一文
誘導先Android版アプリのダウンロードAndroid版アプリのダウンロード
添付なしnta.go.jp.uwsao の表示あり

入口はどちらも還付金だ。1通目は金額と期日で急がせた。2通目は金額を出さず、「確認したいことがある」と事務的に書いている。行き着く先は、どちらもAndroid版アプリのダウンロードボタンだった。

送信元は、今回も国税庁・e-Taxのドメインではない

telugusatta.com は国税庁・e-Taxのドメインではない。e-Tax公式が案内している送信元は info@e-tax.nta.go.jp だ(e-Taxのメール案内)。

件名も、公式の「税務署からのお知らせ(****様)【…】」の形ではない。国税庁は、e-Taxは掲載しているパターンのメールだけを送っていて、それと異なるメールは「e-Taxから送信したものではありません」としている(国税庁の注意喚起)。

Android版e-Taxアプリが2021年1月4日に終わっていることは、上の「4. メール内からAndroid版e-Taxアプリのダウンロードを促している」で書いたとおりだ。

本物の注意喚起に似せた一文がある

2通目で一番引っかかったのは、緑の枠で囲まれた「口座番号・暗証番号などの入力やご返信を求めることは、一切ありません。本メールでもお願いしておりません」という部分だ。

国税庁も、電話で口座番号や暗証番号を聞き出そうとする手口を公表して注意を呼びかけている(国税庁の注意喚起)。2通目の一文は、こうした公的な注意喚起によく似た書き方だ。

読む側からすると「注意してくれているなら本物だろう」と思いやすい。ここからは俺の推測だが、メールそのものへの警戒を下げる狙いがあるように見える。実際、このメールは口座番号を聞いていない。求めているのは、アプリを入れることとログインすることだ。

注意書きがあることは、本物の証拠にならない。1通目の電子証明書の一文と同じだ。

「nta.go.jp」の文字が入っていても正規とは限らない

末尾の添付には nta.go.jp.uwsao という名前が付いていた。国税庁の正規ドメイン nta.go.jp の文字が入っているが、後ろに .uwsao が続いている。国税庁のものとは判断できない。

アドレスやファイル名に nta.go.jp の文字が含まれていても、それだけで正規とは言えない。そもそもe-Taxは、送信するメールにファイルを添付しないとしている(国税庁の注意喚起)。

確認するなら、入口は自分で開く

やることは1通目と同じだ。メール内のボタンや添付は開かない。気になるなら、e-Taxの公式サイトか国税庁のホームページを自分で開いて確かめる。

親にも一度見せておく価値がある

2通そろって分かったのは、同じ「国税庁」「還付金」でも、文面や送信元は簡単に変わるということだ。「前に見た不審メールと違うから本物」とは言えない。

この1通だけで、誰を狙って送られたのか、どれくらいの数が出回っているのかは分からない。言えるのは、俺と父に別々の文面が届いたということまでだ。

それでも、親世代にもこの2通を見せておく価値はあると思っている。俺も今回、父が転送してくれたから気づけた。家族で決めておくことは、下の「家族や高齢者にも共有しておきたい」にまとめた。


不審なメールが届いたらどうする?

  1. メール内のリンクやボタンは押さない。 警察庁も「電子メールやSMS内のリンクを安易にクリックせず」と呼びかけている(警察庁「フィッシング対策」)。
  2. e-Taxはブックマークか、自分で入力したアドレスから開く。 ドメインは e-tax.nta.go.jp だ。国税庁のリーフレットも「ブラウザのアドレス欄を必ずご確認ください」としている(国税庁のリーフレット)。
  3. ログインして、メッセージボックスとマイページを見る。 本物のお知らせなら、そこで確認できる。
  4. 迷ったら電話で聞く。 番号は後の「相談・報告先」にまとめた。
  5. 不審メールはフィッシング対策協議会に報告できる。 リンクを押さずに、報告用アドレスへ転送する。迷惑メールフォルダに入ったものは報告しなくていい。

入口を自分で決めておく考え方は、証券口座でも同じだ。証券口座のセキュリティを見直す|SBI証券で確認した5項目でも、ログインはブックマークや公式アプリから、と書いた。


リンクを押してしまった・情報を入力してしまった場合

公的機関の案内を、状況ごとにまとめた(2026年9月25日確認)。キミの状況に近いところから読んでほしい。

リンクを開いただけ(何も入力していない)

公的機関の案内は「入力してしまった場合」が中心だった。開いただけのケースを切り分けた公式の説明は、見つからなかった。だから「開いただけなら安全」とは書けない。

そのうえで、俺ならこうする。

  • 何か入力していないか、アプリを入れていないか振り返る
  • 開いたページでは、それ以上操作しない
  • メールはフィッシング対策協議会に報告する

心当たりがあれば、下のケースに進む。

e-Tax等のID・パスワードを入力した

警察庁は、フィッシングサイトに入力してしまったら「そのID・パスワード等を…速やかに変更」するよう案内している(警察庁「フィッシング対策」)。同じID・パスワードを使う他のサービスも対象だ。e-Taxも、利用者識別番号と暗証番号を知られた場合は「速やかに暗証番号を変更していただくことをお勧めします」としている(e-Taxのよくある質問)。

クレジットカード情報を入力した

すぐカード会社に連絡し、利用を止めてもらう。連絡先は、カード裏面の問い合わせ先だ(日本クレジット協会、愛知県警察)。

銀行口座の情報を入力した

全国銀行協会は「警察、取引銀行へただちに連絡する」よう案内している(全国銀行協会)。ネットバンキングのIDやパスワードまで入れたなら、パスワードも変える(愛知県警察の同ページ)。

不審なアプリをインストールした(Android)

IPAの2022年のページにある手順は、次のとおりだ。

  1. 機内モードにして、通信を止める
  2. 設定のアプリ一覧から、不正アプリをアンインストールする
  3. より安全な対処として、端末を初期化する。その前に、アプリを入れた後に届いたサービスの登録・変更通知などを確認しておく
  4. 初期化したら、Googleアカウントなどのパスワードを変更する

自分で進めるのが不安なら、IPAの情報セキュリティ安心相談窓口に相談できる。


家族や高齢者にも共有しておきたい

今回のメールは、70代の父にも届いた。

大阪府警の令和7年(確定値)の集計では、還付金詐欺の被害者に占める65歳以上の割合は87.2%だった(大阪府警察)。ただし大阪府内の数字で、全国の値ではない。この統計の還付金詐欺は、主に電話で役所などをかたってATMへ誘導する手口だ。今回のメール型とは、接触の経路が違う。

電話型にも効く知識が一つある。国税庁は、還付金の受取や納付のためにATMの操作を求めない(国税庁の注意喚起)。

親のお金の判断は親のものだと、俺は親の資産運用に口を出すな。代わりに俺ならこうする3つのことで書いた。ただ、ボタンを押す前に一度見せてもらう約束は別の話だ。家族で決めておくなら、これくらいで足りる。

  • 「お金が戻る」「期限がある」「ボタンを押して」がそろった役所名義のメールは、その場で操作せず家族に見せる
  • 確認は、自分で開いた公式サイトか、税務署の電話で
  • 親にはスクショを送ってもらえばいい
  • 還付金のためにATMへ行くよう言われたら、そこで止まる

相談・報告先

役割ごとに分けた(2026年9月25日に公式ページで確認)。

困っていること窓口連絡先
税金や還付の内容を確かめたい国税相談専用ダイヤル0570-00-5901(8時30分〜17時00分。土日祝日・12月29日〜1月3日を除く)
e-Taxの操作や確認方法を聞きたいe-Tax・作成コーナーヘルプデスク0570-01-5901(ナビダイヤルが使えない場合は03-5638-5171。月〜金9時〜17時、休祝日・12月29日〜1月3日を除く。確定申告期は時間延長あり)
不審メールを報告したいフィッシング対策協議会リンクを押さずに info@antiphishing.jp へ転送
不審なアプリを入れてしまったIPA 情報セキュリティ安心相談窓口03-5978-7509(10時00分〜17時00分。土日祝日・年末年始を除く)
被害に遭った・犯罪として相談したい警察相談専用電話/都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口#9110(緊急でない相談)/各都道府県警察の窓口
消費者トラブルとして相談したい消費者ホットライン188(身近な消費生活センター等を案内)

よくある質問

Q. iPhoneなら関係ない?

今回のボタンは、Android版アプリへの誘導だった。ただ、国税庁は「還付金の振込先等の入力を求める旨のメール」から偽サイトへ誘導する事例も公表している(国税庁の注意喚起)。偽サイトに情報を入れてしまえば、機種は関係ない。iPhoneだから押していい、とはならない。

Q. 国税庁からSMSで還付の案内が来ることはある?

国税庁は「ショートメッセージにURLを記載した案内を送信することはありません」としている(国税庁の注意喚起)。URL付きのSMSで還付を知らせてきたら、国税庁からの案内ではないと考えていい。

Q. 「国税庁 サポートセンター」からのメールは本物?

表示名だけでは判断できない。今回のメールも、表示名は「国税庁 サポートセンター」だった。ただ、実際の送信元は booking@info.yanlianauto.com で、e-Tax公式が2026年9月25日時点で案内している送信元(e-Tax(国税電子申告・納税システム)<info@e-tax.nta.go.jp>)とは一致しない。見るのは表示名ではなく、送信元アドレスと公式情報だ。最終確認は、メール内のリンクではなく、自分で開いた公式サイトから行う。

Q. 「e-Tax メッセージボックス 未読1件」のメールは本物?

「e-Taxメッセージボックス」と書かれているだけでは、本物とは判断できない。今回の不審メールにも、冒頭に「e-Taxメッセージボックス 未読1件」とあった。迷惑メールか本物かは、表示名や文面だけで決めない。送信元アドレスをe-Tax公式が2026年9月25日時点で案内している送信元と照合し、最終確認はメール内のリンクではなく、自分で開いた公式のe-Taxから行う。

Q. 「還付金に関する確認のお知らせが届いています」というメールは本物?

件名だけでは判断できない。2026年10月3日に父に届いたメールは、この件名で表示名が「国税庁e-Tax」だったが、実際の送信元は noreply@telugusatta.com だった。e-Tax公式が案内している送信元(info@e-tax.nta.go.jp)とは一致しない。メール内のボタンや添付は開かず、自分で開いたe-Taxの公式サイトで確かめる。


まとめ|「還付金があります」で慌てない

送信元・時期・期限・アプリへの誘導の4か所で、今回のメールは公式情報と合わなかった。本物のe-Taxの通知は定型文で、金額も期日もアプリの案内も入っていない。

「還付金があります」と言われれば、確かめたくなる。入口は、向こうに決めさせない。確かめること自体は悪くない。分かれ目は、どこから確かめるかだ。

還付金の確認は、メールのボタンからではなく、自分で開いた公式サイトでする。

※この記事は、俺に届いたメールと、2026年9月25日時点で確認した公式情報をもとにまとめた。2026年10月4日に、父に届いた別の文面のメールを追記した。窓口の受付時間などは変わることがあるので、最新の情報は各公式サイトで確認してほしい。


参考にした一次情報

確認日:2026年9月25日

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